第16章 刀鍛冶の里
冷静に、心を鬼にして叱る杏。
杏(悪いことをしたら叱る。ダメなことはダメだって言ってあげなくちゃ。姉さんたちとの約束はあるけど、私だっていつ死ぬかなんかわからない。教えてあげられることは教えてあげなくちゃ…まだ、この子を置いてなんていけない。)
見慣れない、聞き慣れない杏の厳しい顔、厳しい言葉にしゅん、となっている時透。
杏(………………正直、かわいい。
でも駄目よ…。心を鬼にするのよ…。)
お説教は約4半刻も続いた。
『わかりましたか??無一郎くん。』
時「……………。」
『無一郎くん??』
時「………はい。」
すごく、すごく小さい声ではあるが、返事を確認でき、杏はご満悦なようで優しく微笑み頭を撫でてやる。
サ「終ワッタ??」
『あらサクラ、いつからいたの??』
サ「チョット前カラヨ。」
いつの間にか木にとまっていたサクラ。
サ「祈里ト音羽、多分暫ク戻ラナイワヨ。」
『…どうして??』
サ「鬼ノヨウナ修行ヲシテルワ。竈門炭治郎モネ。」
『それは…まぁ頑張っていただきましょうか。』
クスクス、と笑う杏。
杏(彼女たちに強くなってもらわなくちゃいけないのは本当のことだしね……。)