第16章 刀鍛冶の里
この場にはおらず、祈里と音羽と一緒にいてくれているサクラに心の中で謝る。
あれはサクラの秘蔵の桑の実だったのだ。
杏は知らなかったが、サクラは長期の滞在になると知っていたらしく、持ってきていたのだ。
そして、それを預かっていた杏が2羽を遠くへやるために放り投げた。
バレればかなり怒るだろう。
さて、と炭治郎たちの方へと意識を向けなおす。
折角、騒がしい鴉たちを遠くへやったのに自分が空気を壊しては元も子もない。
炭「でも、必ず誰かがやり遂げてくれると信じてる。俺たちが…繋いでもらった命で上弦の鬼を倒したように、俺たちが繋いだ命がいつか必ず鬼舞辻を倒してくれるはずだから。」
炭治郎の真剣な言葉に言葉を失う小鉄。
炭「一緒に頑張ろう!!」
ギュッ、と小鉄の手を握る炭治郎。
『小鉄くん、あなたは1人じゃないんですから。周りに頼っていいんですよ。あなたはまだ子どもです。そんなに思い詰めないで大丈夫。あなたが手を伸ばせば、あなたの周りの人たちは必ずあなたの手をとってくれますよ。』
優しく頭を撫でながら優しく諭す。
小「………うん。」
小鉄はグスッ、と鼻をすすり、炭治郎に握られた手を握り返す。