第16章 刀鍛冶の里
突然、辺りに響いた大きな音。
一同がその音がした方を振り返ると、時透により鎧が切られているところだった。
炭「あっ、鎧が…」
小鉄は震え、そのまま一目散に逃げ出した。
炭「小鉄くん!!」
炭治郎も慌ててその背を追いかける。
祈里と音羽も続こうとしたが、杏に止められる。
『あなた達はこのまま無一郎くんを見ててください。きっと勉強になります。彼のところには私が行きますから。』
ニコッ、と微笑み、炭治郎たちを追って林の中へと消えていった。
炭「小鉄くん!!」
『いました??小鉄くん。』
炭「うわっ、杏さん!!いえ、まだです!!」
気配もなく、背後から現れた杏に驚きつつも小鉄を探すため、鼻を動かす。
炭「見つけるよ!!俺は鼻が利くから!!」
今ちょっと調子悪いけれども!!、と続ける炭治郎。
杏(やっぱり調子悪かったんだ…。)
そう考えている間にも炭治郎はクンクン、と犬のように匂いをかぐ。
炭「小鉄くん!!こて…、」
そこで匂いを察知したのか上を見上げる。
杏もそれにつられて木の上を見上げる。
『…あらあら。』
炭「全力で登ってるなぁ、小鉄くん!!」