第16章 刀鍛冶の里
祈「あ、杏さま??」
あはははっ、と今までに見たことのない笑い方をする杏に祈里と音羽は心配そうな視線を向ける。
『ふふっ、大丈夫ですよ。すみません、最近は記憶を思い出した影響のせいか子どもの頃の癖のようなものがでるようになってるんです。』
まだ笑いは止まっていないが、心配する2人にちゃんと説明する。
子どもの頃は無邪気な少女だった。
些細なことでよく笑う少女であった。
杏とは元来、このような笑い方をする少女であったが、今までは抑えて落ち着いた女性を演じてきた。
それが抑えにくくなっているのだ、と前にしのぶに相談した際に言われたのだ。
『落ち着いてくれば、今までどおりに戻りますから大丈夫ですよ。』
ふぅ、と一息つきニコッ、と微笑んでみせる。
音「大丈夫ならよろしいのですが…。」
祈里と音羽は心配そうな顔で互いに顔を見合わせる。
3人でそんなやり取りをしているのを見ていた炭治郎は突然、はっ、として、慌てて「柱の人は!?」と問いかける。
小「鍵を渡したので行ってしまいました。」
炭「渡しちゃったのか…。
渡すしかない感じだったけど…。いや事情もよくわからない俺がゴチャゴチャ言うことじゃないけど…。」