第16章 刀鍛冶の里
杏の怒ってはいない様子に胸をなでおろす炭治郎。
すると、杏の口から思いにもよらない言葉がでてきた。
『ごめんなさいね。』
炭「え??」
まさか謝られるとは思っておらず、焦る炭治郎。
『小鉄くんも。無一郎くんは誤解されやすいけれど、根はいい子なんです。言葉に棘はあるけれど、あれは彼にとって事実を言っているだけで悪意はないんです。
私もたまにグサリと刺されますけど…。』
最後の言葉には苦笑を含めながら話す。
『彼は優しくて、誰よりも責任感のある柱なんです。嫌な思いをしたでしょうし、痛い思いもしたでしょうけど、どうか分かってあげて欲しいんです。勝手なお願いでごめんなさい。』
そう言いながら頭を下げる杏にギョッ、とする4人。
炭「あ、杏さん!!頭を上げてください!!
俺は大丈夫ですから!!」
小「そうですよ!!あなたが謝ることなんてありません!!柱なんですからそんな簡単に頭下げちゃダメです!!あのガキに頭下げさせないと…!!」
炭「小鉄くん!?」
小鉄のまさかの物言いにポカンとする一同。
最初に吹き出したのは杏だった。
『ぷっ、ふふっ、もしかしてあのガキって無一郎くんのことですか??彼も柱ですから、謝罪の重みは私と同じですよ??』