第16章 刀鍛冶の里
炭「鋼鐵塚さんいた??」
小「えっ、」
炭「今ここにいなかった??」
小「いえ、いなかったですよ〜。」
炭治郎からの勢いのいい問いかけになんとかとぼける小鉄。
杏(嘘が下手なのね…。まぁ、炭治郎くんのことだから匂いで嘘かどうかわかるでしょうけど。)
杏はそんな小鉄に苦笑いをこぼす。しかし、
炭「そうか、気のせいか…。」
『え??』
炭治郎の言葉に杏は思わず声を漏らす。
炭「え??あれ、杏さんいらしたんですね!!」
『…えぇ。君と無一郎くんが揉めたって聞いてね。』
杏はふふっ、と微笑んでみせる。
炭「そ、それは…!!」
杏(匂いを嗅ぎ分けられてない…??どうして…)
と考えていたとき、鼻腔の奥を強めの温泉の匂いが掠めた。
杏(…強すぎる温泉の匂いね。私でこれだけなのだから炭治郎くんにはきつそうね。)
ふむ、とそう自分を納得させていると、炭治郎はワタワタと慌てていた。
炭「えっと、その…」
しどろもどろになっている炭治郎。
目も泳ぎまくっている。
『大丈夫ですよ。
事情はこの子たちから聞きました。』
炭「あ、そうなんですね。」