第16章 刀鍛冶の里
真剣な2人の表情に杏は優しく頷く。
『えぇ、勿論ですよ。
気をつけて行ってきてくださいね。』
音「ありがとうございます!!
では、行ってまいります。」
手を振り、2人を見送る。
『サクラ、ついていってあげてくれる??
何かあれば教えて。』
サ「ワカッタワ!!」
サクラが2人にはバレないようにこっそりと後をつける姿を見送る。
『さて、私は書類を片付けますか。』
サラサラ、と書類を書きながら考え事を頭に巡らせる。
杏(鉄珍さまが蜜璃さんの刀を打ち終えたってことは私のはもう少しかかるわね。1週間くらいかしら。)
自分の任務復帰の時期を考える。
ふぅ、と一息つくと、机においていた薬の入った小瓶に視線を移す。
杏(薄紫色の薬…。これも藤の花から作ってるのかしら。薬であの代償を何とかできるかもしれないだなんて………やっぱりしのぶさんは凄い。私なんかが頭が回らないことまでわかっちゃうのね。)
小瓶を持ち上げ、ユラユラと揺らす。
杏(薬でなんとかできるってどうしてかしら。
何か具体的な症状がわかったのかな。
そもそもどうして痣の代償が寿命なのかしら??
…絶大な力を得ることの代償……それって…)
サ「カァーーー!!」
『きゃあっ!!』