第16章 刀鍛冶の里
甘「いいのよ。多分、深夜に発つことになるから。」
甘露寺がいなくなることを理解した禰豆子が甘露寺に抱きつく。
炭「いや、でも…。そうですか…うーん、」
甘「炭治郎くん。」
申し訳無さそうにする炭治郎を呼んだ甘露寺の声は今までと違っていた。
甘「今度また生きて会えるかわからないけど頑張りましょうね。」
その甘露寺の表情は先程までの可愛らしい少女のものではなく、間違いなく鬼殺隊の柱の顔だった。
甘「祈里ちゃんと音羽ちゃんもだけど、あなたは上弦の鬼と戦って生き残った。これは凄い経験よ。実際に体感して得たものはこれ以上ない程価値がある。5年分、10年分の修行に匹敵する。今の炭治郎くんは前よりももっと、ずっと強くなってる。」
禰豆子を撫でる甘露寺はニコニコと笑っているが、その言葉は重い。
真剣な顔で聞き入る3人に杏も柔らかく微笑む。
甘「甘露寺蜜璃は竈門兄妹を応援してるよ〜。」
最後にニコーッと笑う甘露寺。
炭「ありがとうございます。でも、まだまだです。俺は宇髄さんに“勝たせてもらった”だけですから。もっともっと頑張ります。鬼舞辻無惨に勝つために!!」