第16章 刀鍛冶の里
『炭治郎くん、しのぶさんから他に預かったものはありませんか??』
炭「他に、ですか??えっと…」
身に覚えがないようでゴソゴソと荷物を漁る炭治郎。
すると、ずっと甘露寺に甘えていた禰豆子が突然起き上がり、自分の箱の中に入っていった。
甘「禰豆子ちゃん??」
甘露寺が不思議そうに見つめていると、禰豆子は元気に箱から飛び出して杏に飛びついた。
『きゃっ、禰豆子さん??
どうしたんですか??』
突然のことに驚きつつも頭を撫でてやると、小さな小瓶を手渡してきた。
『??くれるんですか??』
不思議に思いつつも受け取ってみると、薄紫色の液体が入っていた。
杏(何かしら…??これ……。)
ゆらゆらと小瓶を揺り動かしていると、炭治郎があっ、と叫ぶ。
炭「それ、出発前に禰豆子がしのぶさんからもらってた小瓶…。」
『え、もしかしてこれが薬…??』
まさかの事実に驚きつつもじっ、と瓶の中身を観察する。
甘「文にはなんてあったの??」
痣の件を知る甘露寺はそのことだろう、と内容を尋ねる。
『薬でなんとかなるかもしれないそうです。
これはその試作品のようです。』