第16章 刀鍛冶の里
うーん、と考えながらもバタバタと丼ぶりを下げていく里の方にお礼を言う。
炭「あっ、そうだ。甘露寺さんが温泉で会ったのは不死川玄弥という俺の同期でしたよ。」
『!!』
炭治郎の口から聞こえた“不死川玄弥”という名前に杏は僅かに反応を見せた。
甘「えっ!!そうだったの〜…。不死川さんの弟でしょ??でも不死川さん弟いないって言ってたの。仲悪いのかしら、切ないわね。」
しかし、気づかなかったようで2人はそのまま会話を続ける。
炭治郎の元からピョコッと飛び出した禰豆子が甘露寺の方へと近づき甘える。
炭「そうなんですか………。
どうしてだろう。」
甘露寺は禰豆子と遊んであげながら会話を続ける。
甘「私のうちは5人姉弟だけど仲良しだからよくわからなくて。不死川兄弟怖って思ったわ〜。」
『まぁ、当人同士にしかわからないこともあるでしょうし。私たちには見守ることしかできませんね。』
杏は食後の緑茶を飲みながら穏やかに2人を諌める。
甘「それもそうね。」
禰豆子を抱き上げ、かわいいわねー、と抱きしめる甘露寺。
『だとしても、柱である蜜璃さんを無視するのはいただけませんが…。』