第16章 刀鍛冶の里
長の申し出に2人が困っていると、杏が優しく微笑む。
『折角だからいただきましょうか。』
祈「はいっ。」
音「ありがとうございます。」
大きめの籠に入った大量のかりんとうを頂き、それぞれ口に含む。
祈「っ、このかりんとうすごく美味しいですね!!」
音「丁度いい甘さです。」
嬉しそうに食べる2人を見て微笑み、時透の方へと視線を向ける。
ポリポリとかりんとうを食べている姿を見てそっ、と胸をなでおろす。
鉄「今回は日輪刀の修繕でいいんかい??」
杏の日輪刀を打っている鉄珍は早速仕事の話に入る。
『申し訳ないのですが日輪刀がこの状態でして…』
そう言い、鞘から刀を抜く。
鉄「これは根本からぽっきりいかれとるなぁ。」
『不甲斐ないばかりです…。』
手ぬぐいに包んだ刀身も出した。
鉄「じゃあ、新しく打とうかね。
暫くはここにおるんやろ??」
『…そうなのですか??』
今回の滞在期間を聞かされていないため、わからない杏。
鉄「あれ??お館様からそう聞いとるが…。」
時「あぁ、そうだった…。」
ずっとかりんとうを食べていた時透があ、と声を上げる。