第16章 刀鍛冶の里
目隠しをつけた時透が説明してくれた。
祈「…里から帰ったら聞いてみる??」
音「そうね…。」
我が護衛対象兼師範の怖ろしさに震えながら、2人も目隠しと耳栓をつけた。
その瞬間、背負われなかなかの速度で走っていく。
途中、隠が交代することを聞かされていなかった祈里と音羽はかなり驚いたが、何回か繰り返すうちに慣れてきた。
そのまま何刻か経った頃、地面に降ろされ耳栓を外された。
隠「目隠し外しますよ。」
その隠の声に合わせてシュルシュルと布が取られていく。
『突然明るいところに出ると目を痛めますから、ゆっくり目を開いてくださいね。』
祈.音「「はい。」」
杏からの助言通り、ゆっくりと目を開くと、そこには遊郭にも似たような建物がたくさん立っていた。
祈「わぁっ!!」
音「すごい建物…!!」
瞳を輝かせ、頬を紅潮させて興奮している2人を見ながらふふっ、と笑う杏。
『私も初めてきたときは同じ反応しましたね。
ここには温泉もあるんですよ。』
祈.音「「温泉…!!」」
ぱぁぁぁっ、と顔を明るくする2人。
『ふふっ。さぁ、温泉の前に里長の屋敷へ向かいますよ。挨拶に行きましょう。』
祈.音「「はいっ!!」」