第16章 刀鍛冶の里
隠「はじめまして。私どもがご案内いたします。」
4人の隠たちが頭を下げる。
『よろしくお願いしますね。』
杏は隠たちにニコッ、と微笑む。
『私と無一郎くんのことはご存知でしょうから、彼女たちだけご紹介しますね。花柳祈里さんと佐々木音羽さん。私の護衛役の隊士です。』
祈.音「「よろしくお願いします。」」
祈里と音羽もペコリ、と頭を下げる。
隠「案内役の事情で名乗ることはできませんがよろしくお願いします。では、これを。」
隠たちはスッ、と目隠しと耳栓を手渡す。
祈「これは…??」
杏と時透は慣れた手付きで受け取るが、祈里と音羽は頭に?マークが浮かんでいる。
『目隠しと耳栓ですよ。里は隠されていて、私たち柱も場所は知らないんです。彼らが背負って連れて行ってくれるんですよ。』
目隠しと耳栓をつけながら2人に簡単に説明する。
祈「そうなのですね。」
音「というか杏さま…、目隠しも耳栓もしてるのにどうしてあんなに歩き回れるのかしら??」
目隠しと耳栓を着けた状態で、屋敷の門を閉める杏の様子を見て戦慄する2人。
時「杏さんは身体能力も優れてるけど、感覚が特に優れてる。視覚と聴覚を奪われても普通に生活できるんだよ。」