第15章 上弦ノ月
童「それに俺はわざと避けなかったんだよ。ちょっとした戯れさ。こういうふうにして仲良くなっていくものだよ。上に立つ者は下の者にそう目くじらを立てずゆとりを持って」
黒「猗窩座。」
そこまで言ったところで、黒死牟が言葉を遮る。
黒「私の…言いたいことは…わかったか…。」
目に見えぬ圧を放つ黒死牟。
しばらくの沈黙の後、猗窩座も口を開く。
猗「わかった。俺は必ずお前を殺す。」
同じく圧を放ちながら黒死牟を睨みつけた。
黒「そうか…。励む…ことだ…。」
黒死牟はそのままフッ、と消えてしまった。
童「さよなら黒死牟殿!!」
猗「…」
童「さよなら!!」
決して返事は返ってこないが、何故か2回も元気にサヨナラのあいさつを言った童磨。
童「何だか俺は会話に入れて貰えなかった気がするのだが考えすぎだよな、猗窩座殿。」
童磨はそう猗窩座に問いかけるもその瞬間、猗窩座はその場から移動してしまった。
童「猗窩座殿!!話してる途中なのに!!」
その猗窩座の姿を見送っていると、何故か未だに頭だけ玉壺が鳴女へと叫ぶ。
玉「私と半天狗を同じ場所へ飛ばしてくだされ!!」