第15章 上弦ノ月
半「ヒィィ」
童「待ってくれ、じゃあ俺も……」
──べべべん
童磨以外の鬼たちは消えてしまい、ひとり寂しく取り残された童磨。
童「おーい、琵琶の君。
もしよかったらこの後俺と」
鳴「お断りします。」
唯一残っている鳴女に声をかけるも一刀両断されてしまう童磨。
──べん
童「!!」
琵琶の音が響いた瞬間、童磨は既にあの屋敷にはおらず、いつもの場所へと戻っていた。
童「むうう。誰も彼もつれないなァ。」
そうぼやいていると、正面の襖が開かれる。
「教祖様。信者の方がお見えです。」
童「あぁ、本当かい。待たせてすまないね。
じゃあこれをかぶってから。」
そう言い、隣に置いていた帽子をかぶる。
童(さて、なんとかして“青い彼岸花の君”の情報を集めないとなぁ。)
そんなことを考えながら体制を整える。
童「どうぞどうぞ。入って貰っておくれ。」
ニコリ、と笑い信者を迎え入れた。
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