第14章 刀鍛冶の里-出立
『刀鍛冶の里…ですか??』
時「うん、杏さん刀折られてないんですよね??
そろそろ修繕に行かなきゃじゃないですか。」
『それはそうですが…』
突然ですね…と困惑している杏。
時「隠が門の前にいるので行きましょう。」
『すぐですか??えっと……、』
今すぐだと言うことにまた驚き、慌てる杏。
時「あぁ、そうだ。えっと、…」
時透は何かを思い出したかのように祈里の方を振り返るが、名前が出てこないようだ。
『祈里さんです。花柳祈里さん。』
杏がすかさず教える。
時「そうだった。花柳、護衛役も連れてくからもう1人も呼んできて。」
祈「かしこまりました。」
祈里はペコッ、と頭を下げ音羽の元へと急ぐ。
『彼女たちも連れて行くんですか??』
時「お館様から言われたので。」
『そうなんですね。』
会話しながら部屋の戸をしめ、鍵をかける。
木箱に鍵を入れていると、時透が興味深そうに木箱を見ていた。
しかし杏は気づいておらず、部屋へと向かう。
『これ戻してきますね。』
時「あ、はい。」
部屋へと入る杏の背を見送り、ぼーっと待っていると祈里と音羽がパタパタと走ってくる。