第14章 刀鍛冶の里-出立
音「同じく、鬼殺隊 階級 乙 佐々木音羽と申します。杏さまはお部屋にいらっしゃいます。」
2人はサッ、と頭を下げ、聞かれたことにしっかりと答える。
時透のことは前に杏から聞いていてよく知っていた。
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『彼はよく誤解されてしまいますが、誰より優しく、責任感も持っている立派な柱です。言葉に棘があることもありますが、悪気はないので許してあげてくださいね。』
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優しく微笑む杏を思い出す。
時間の無駄を嫌う、ということを聞いていたため、無駄なことは一切言わなかった。
時「護衛役とかいたんだ…。なんでだろ。
まぁいっか。案内してくれる??」
祈「かしこまりました。こちらへどうぞ。」
時透の言葉に祈里がいち早く答え、音羽に視線を送る。
アイコンタクトでコミュニケーションをとり、祈里が案内に動き出した瞬間、音羽は台所へと急いだ。
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杏は沢山の着物を広げ、それらに触れながら小さな声で歌っていた。