第13章 記憶
サ「アラ、アノ猪結構重症ダッタンデショ??
良カッタワネ〜。」
『本当にね。あぁ、そうだ。サクラ、これしのぶさんに届けてくれない??急ぎだとお伝えして。』
サ「ワカッタワ。」
手に持っていた文をサクラに渡す。
飛び立つサクラを見送り、祈里と音羽に視線を戻す。
杏(強くなってる…。そういえば今階級どれくらいなのかしら??上弦ノ鬼の討伐に貢献してるんだし、上がってるかもしれないわね。)
後で確認してみよう、と心に決める。
──ガッ
音「あっ、」
音羽の木刀が地面に落ち、祈里の勝利に終わったようだ。
肩で息をしている2人に瓢箪と手ぬぐいを差し出す。
『お疲れ様です。』
祈「杏さま…!!ありがとうございます。」
音「一体いつから…??」
『つい先程からですよ。随分と強くなりましたね。』
驚く2人にふふっ、と微笑む。
水分補給をする2人をじっ、と観察する。
先程までは肩で息をしていたが、今は平気そうだ。
やはり全集中常中を習得した賜物だろう。
『先程のしのぶさんからの文で連絡があったのですが、伊之助くんが目覚めたそうですよ。』