第13章 記憶
音「天気も良かったし、しっかり乾いてるわ。」
満足気に微笑み、籠の中に洗濯物を入れる。
祈「音羽さん。」
音「祈里さん、どうされましたか??」
よいしょ、と籠を持ち上げたところで屋敷の中から慌てた様子の祈里が庭へと出てくる。
祈「杏さまどちらにいらっしゃるか知りませんか??」
いつもこの時間なら道場にいらっしゃるのに…とため息をつく。
目が覚めた杏は落ちてしまった体力を戻すため、空いている時間は殆ど道場にいる。
音「何かあったんですか??」
祈「お館様から杏さま宛に文が届いたんです。はやくお渡ししたほうがいいと思うんですけど…。」
音「お館様から…!!
それは急いだほうが良さそうですね。」
うーん、と2人で頭を悩ませていると頭上から声が響く。
サ「杏ー!!」
祈.音「「サクラ!!」」
突然のことに驚いた2人が思わず名前を呼ぶとサクラも2人に気づき、庭へと降りる。
サ「ドウシタノ??」
祈「サクラこそどうしたのですか??」
サ「蟲柱カラ杏ヘノ文ヲ預カッタノヨ。
杏ハドコ??」
音「私たちも探しているんです。」