第13章 記憶
祈「竈門さんの方が私には不思議に思えました。気のせいかもしれないのですが、額の痣が変化しているように見受けられました。」
し「痣がですか??」
祈「はい。しかし、私たちが目覚めた時には元に戻っていたので気のせいかもしれないです…。」
し「治療のときにはそのような変化は見られませんでしたが…。」
しのぶはうーん、と頭を悩ませる。
『炭治郎くんはそのことについて何か言ってましたか??』
祈「いえ、何せ闘いにそれぞれ必死で聞いている時間はありませんでした。」
『ですよね…。うーん、』
杏も首に手をやり、首を傾ける。
音「その、痣が変化してからかわからないのですが…突然強くなったように思いました。」
『…??』
音羽の言ったことの意味がよくわからず首を傾げる。
音「たまに蝶屋敷で彼が鍛錬している姿は見ていましたがあんなに強くなかったように思うのです。」
祈「階級とも見合っていないようでした。」
『彼らの今の階級は……』
し「任務前の段階では庚です。任務前に伊之助くんになんて読むのか聞かれました。」
『確かに…庚の隊士が上弦の鬼の頸を斬るというのは考えられないことですけど……。』