第13章 記憶
し「脈や呼吸は正常ですね。
何か気になることはありませんか??」
『寝すぎて少し身体が固まってることくらいです。』
し「でしたら、見たところ異常はないようですし今日は大人しくしておいて明日からは少しずつ動いて様子を見ていきましょう。」
『はい。』
しのぶは聴診器を道具箱にもどす。
『祈里さんと音羽さんの治療もありがとうございました。2人とも元気そうなので安心しました。』
し「いえいえ。2人とも機能回復訓練にも真面目に参加してましたよ。」
『そうなんですね。祈里さん、どうでしたか??』
隣で黙って話を聞いていた祈里に問いかける。
祈「大変でしたが、全集中の常中を完全に習得いたしました。音羽さんもです。」
し「よく頑張ってましたよ。」
『素晴らしいです。』
わぁ、と手を合わせて喜ぶ杏。
『よかったら任務でのこと教えてくれませんか??』
祈「もちろんです。」
し「私も聞きたいです。」
上弦ノ鬼と闘った貴重な体験、まだ相見えたことのないしのぶも気になるようだった。
『でしたら音羽さんも呼んできてお茶をしながらにしましょうか。』