第13章 記憶
洗濯物を抱えたまま部屋に飛び込んできた音羽が勢いそのままに盛大に転んだ。
『ふふっ、大丈夫ですか??音羽さん。』
音「は、はい…。って、杏さまこそ!!
大丈夫ですか!?」
祈「何か違和感はありませんか!?」
音羽も先程の祈里と同様に律儀に返事をするが、ハッ、として即座に杏に詰め寄る。
『大丈夫ですよ。少し身体が固まってるくらいです。どのくらい寝ていましたか??』
祈「1月と少しです。
目が覚めて本当によかったです…。」
杏の求める答えを言いながら安心して力が抜けたのか膝から崩れ落ちる祈里。
『あら、心配だったら私もしましたよ??なんとか蝶屋敷に辿り着いたらあなた達が傷だらけで寝てたんですから。』
音「心配はお互い様のようですね。」
興奮状態であったが、徐々に落ち着きを取り戻す。
祈「あ、蟲柱さまにご連絡しなくては…!!」
音「忘れてましたね…。」
鎹鴉の雫と琥珀が来たのを見てしのぶへの連絡を思い出したようだ。
祈「雫、琥珀、お願いね。」
コク、と頷き開いていた窓から飛びたって行った。
『そういえば不死川さんはどちらに??』