第13章 記憶
ゆ「戦友ねぇ。まぁ、とりあえず後悔しないようにしなさいよ??ぼやぼやしてたら誰かに盗られちゃうわよ??」
つ「姉さんったら、それ経験談??」
ゆ「そうよ。結婚渋ってたら他の子に盗られちゃったのよ。まぁ後悔はしてないけどね。」
上の姉たちがふふっ、と笑い合うのを横目に紅葉が杏の手をとる。
も「とりあえず!!応援してるから頑張ってね。
恋の方もね!!」
つ「頑張れ、杏。誰かに盗られないようにね??」
ゆ「しっかりね、杏ちゃん。甥っ子でも姪っ子でもいいからいつか見せにきてね。」
椿が杏の頭、百合が頬を撫でながらニコッ、と笑う。
『姉さん…。』
ゆ「ほら、あっちよ。そろそろ起きなくちゃね。」
百合は杏の背後を指差す。
その先には眩しい光が見える。
つ「ほら、皆心配してるよ。」
も「またね、杏。」
2人の方へと振り返るとさみしげに微笑んでいる。
ゆ「大丈夫、私たちはいつでも側にいるわ。
頑張って、杏ちゃん。」
トンッ、と後ろから背中を押し杏を光の方へと向かわせる。
その勢いのまま、数歩すすんだ杏は振り返らずに上へと叫ぶ。
『百合姉さん!!椿姉さん!!紅葉姉さん!!
ありがとう!!私、頑張るから見ててね!!
大好きだよー!!』