第13章 記憶
百合と椿はつい先程までしんみりしていたというのに今はイキイキとした様子だ。
それにこの調子だと杏とサクラの会話も知っているようだ。
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『同じように鬼を滅殺することしか考えてない私と気が合うだけじゃない??私だって鬼舞辻無惨を倒すまでは色恋に現を抜かす余裕はないわ。』
サ「ウラ若キ乙女ガ勿体ナイワネ。」
『ここは鬼殺隊よ。そんなの関係ないわ。』
サ「ハイハイ、分カリマシタヨー。」
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思い起こされるのはこの会話だ。
サクラは杏がこのようなことを言うといつだって深いため息をついていた。
ゆ「どこまでって、全部に決まってるでしょ??
ずっと杏ちゃんのそばにいたんだから。」
つ「ほらほら、どうなの??
あの傷だらけの怖い人が好きなんでしょう??」
も「私はあの子がいいと思うなー。
髪の長いきれいな男の子!!」
『不死川さんも無一郎くんもそんなんじゃないの!!戦友みたいなものよ!!』
グイグイと詰め寄ってくる姉たちを必死に止める。