第13章 記憶
力強く頷き、涙を拭う。
『私は生きる。何があっても天寿を全うする。
姉さんたちが生きられなかった分も私が生きる。
姉さんたちの分も私が誰よりも幸せに生きるわ。
だから、これからも見てて。』
最後には瞳に薄く涙を浮かばせながらもニコッ、と笑う。
『姉さんたちの仇も絶対にとる。お館様の悲願である鬼舞辻無惨の討伐もやり遂げる。そして皆で生きて帰るわ。』
杏の力強い言葉に姉たちも優しく頷く。
ゆ「本当に、大きくなったわね。
あんなに小さくて泣き虫だったのに…。」
つ「7年経っているんだもの。
仕方ないわよ、姉さん。」
も「そうだわ!!幸せといえば、杏!!
あなた好きな人がいるでしょう??」
寂しげに笑う上の姉2人を押しのけながら紅葉が楽しそうに杏に詰め寄る。
『紅葉姉さん!?な、なんのこと!?』
今までのシリアスな空気からの突然の問いかけに思わずどもってしまう杏。
ゆ「そうよ、それ私も気になってたの。いつまでも意地張っててもいいことないわよ??」
つ「好きならちゃんと伝えなくちゃ。
サクラをあまり困らせてはだめよ??」
『姉さんたちどこまで見てるの…??』