第13章 記憶
不「万世…あァ、あの女が言ってた宗教かァ。
あの宗教の名前を聞いたとき頭痛あったよなァ。」
不死川も任務のときのことを思い出すように呟く。
『はい。あの日に聞いたことだったからだと思います。私は奴に対峙した際に利用されていた女性のことと万世極楽教のことを聞きました。しかし、奴が答えたのは彼女のことだけ。何かあると思います。』
お「万世極楽教か…。あまり聞かない宗教だね。新興宗教の1つかな。調べてみよう。」
『お願いいたします。あぁ、“青い彼岸花”ですがあれはとても不思議なものです。』
話が逸れてしまっていたため、杏は慌てて話を戻す。
不「不思議ィ??」
『はい。あの花を見たのは山奥です。見たこともなかった花で姉たちに見せたいと思い摘み取りました。しかし、夢中になって摘んでいると日が落ちてしまいました。そのとき手の中にあった花が全部消えたのです。』
不「…は??消えた、だとォ??」
『えぇ。』
お「…どんな感じに消えたんだい??」
混乱している不死川を横目にお館様は冷静に問う。
『消えた、というよりは一気に枯れた…という方が正しいかもしれません。』