第13章 記憶
ひ「杏様、不死川様、お待ちしておりました。」
に「本日は庭ではなく屋敷の中に来るよう、お館様が仰っております。」
ひ「ご案内いたしますのでこちらへどうぞ。」
産屋敷家の息女、ひなき様とにちか様が屋敷へと続く道へと2人を誘導する。
『ひなき様、にちか様。
ありがとうございます。』
杏がお礼をいうのに合わせて不死川も軽く頭を下げる。
ひ「いえ。お館様がお待ちです。」
に「参りましょう。」
『はい。』
先を歩くひなき様とにちか様を追い、屋敷の中へと入る。
ひ「こちらでございます。」
ある一室の前で立ち止まり、その場に座るひなき様とにちか様。
杏と不死川もいつも通り膝をつく。
ひ.に「「お館様、杏様と不死川様がお見えになりました。」」
お「入っておいで。」
お館様の声を聞き、ご息女2人がそれぞれ左右に襖を開く。
お「お疲れ様。杏、実弥。」
『お館様におかれましても、御壮健で何よりです。益々の御多幸を切にお祈り申し上げます。』
お「ありがとう、杏。
2人とも、こちらへおいで。」
微笑み、手招くお館様に従い、立ち上がる。
『「失礼いたします。」』