第13章 記憶
『禰豆子さんが…。』
とりあえず、一命をとりとめたことに安心し、はぁ、と息を吐く杏。
宇「すまない、音白。俺が付いていながら…。」
し「上弦ノ陸がでたそうです。」
『上弦…!!』
まさかの一晩で上弦ノ鬼が2体出ていたことに驚く。
宇「たとえそうだとしても、こいつらにこんな重症を負わせたのは俺の責任だ。煮るなり焼くなり好きに…」
『いえ、その必要はないです。』
謝る宇髄の言葉を杏は途中で遮る。
『討伐に成功されたのでしょう??』
宇「あぁ、総力戦でボロボロだが…」
『私たちは取り逃がしてしまいました。
責める資格はありません。ね、不死川さん。』
不「…あァ。」
悔しげに視線を落とす2人にしのぶと宇髄は目を見開く。
宇「は??ちょっと待てよ…取り逃がした…??まさかだが…上弦ノ鬼がきたのか!?」
し「一晩で2体でるなんて…聞いたことないですよ。」
『最後は呼ばれてるから帰るって言われて…帰っていきました。』
し「お館様へは…」
『これからです。先に怪我を治療してからおいで、と言っていただけましたので。』
し「では、急いで治療しますね。」