第13章 記憶
『そう、ですか…。』
しかし、それでも、やはり悲しくないわけがなく、視線を落とす杏。
不死川も壁によりかかったまま、目を閉じる。
宇「それより、俺はお前に謝らないといけねぇことがある。すまない、音白。」
『…え??』
し「杏さんも不死川さんも緊急性のある大怪我はないようですので、先にご案内しますね。」
こちらへ、と病室に案内された。
『…っ!!祈里さん!!音羽さん!!』
案内された病室にはベッドで眠る祈里と音羽がいた。
し「炭治郎くん、善逸くん、伊之助くんは他の病室で寝ています。」
『しのぶさん、容態は…??』
し「命に別状はありません。ここに運ばれる前に解毒を済ませたおかげですよ。」
『解毒…??そんなのどうやって…。』
鬼の毒は未知のものだ。
それぞれ違う。
そんなそれぞれ違う鬼の毒をその場で見て解毒剤を調合できるのはしのぶだけだ。
しかし、宇髄の任務にはしのぶは同行していない。
いくら宇髄の嫁のくノ一の3人でも鬼の毒の解毒はできない。
宇「竈門禰豆子だ。あいつの血鬼術がどういうわけか鬼の毒を消してくれた。」