第12章 邂逅
不「ハァ!?」
『えっ、待ってください!!ダメです!!』
不「ぐっ、」
意味がわからず、走ってその空間に飛び込もうとした不死川だったが、杏に首根っこを捕まれたことと障子が閉まったことで足を止める。
不「テメェ何しやがる!!」
『あんなよくわからないところに飛び込もうとするからでしょう!?』
キレてくる不死川に杏もキレて返す。
『多分あれは鬼の本拠地への入り口です。あのときも先刻もあいつは帰ると言ってあの中に消えました。そんな所に今この状態で入り込む気ですか!?』
2人の状態は一言で表すならボロボロだ。
どれも深くはないが全身に無数の切り傷、不死川は止血もしないためずっと血が流れ落ちている頬の傷。
杏は日輪刀を根本から折られて武器もなく、不死川に背負われている。
この状態で本拠地に行ったところで勝てるわけもない。
『とりあえず帰りましょう??
この紐解いてください。』
自分と不死川を結びつけている紐を軽く引っ張る杏。
不「あァ…。」
スルスル、と紐を解き杏も地面に着地する。
『不死川さん…。守ってくれてありがとうございます。』