第12章 邂逅
不「真実を言ったまでだろォ。」
童(“青い彼岸花の君”は結晶ノ御子たちを怖がってる…。唯一の武器も根元から折れて刃の部分残ってないし、仕方ないよね。本当にこの柱さえいなきゃ連れ帰れてたのに。)
邪魔しかしてこない不死川に一瞬、鋭い視線を向ける。
不「っ!?」
その際に発せられた殺気に不死川も一瞬、身体が強ばる。
童「本当に時間もないし、いくよ。」
不(とんでもねェ殺気だなァ。
これが上弦かァ!!)
2体の氷人形がもの凄い勢いで技を出し、それによる冷気から離れるため、不死川は後ろに跳んで避ける。
『っ、きゃっ、』
そんな不死川の全く安定しない、もの凄い振動がある背にいる杏はしがみついているのに必死になっていた。
杏(自分で闘うより疲れる気がする…!!)
それでも、目だけはしっかり開けて不死川の死角となる部分をカバーする。
『不死川さん!!後ろ!!本体来てます!!』
分身たちに意識を向けさせ、自身は後ろから攻撃を仕掛けようとしていた童磨を見つけ、できるだけ大きな声で叫ぶ。
不「っ、クソッ!!」
童磨から振り下ろされる扇をすんでのところで避けるも僅かに頬を掠めた。