第12章 邂逅
『っ、上です!!不死川さん!!』
不「っ、」
杏の叫びを聞いた不死川が上を見ると、頭上に無数のつららが浮いていた。
その数とひとつひとつの大きさに青ざめる杏。
童「あれ??よく気づいたね。
死角狙ったんだけどなぁ。」
─ 血鬼術 冬ざれ氷柱 ─
一気に降ってくるつららをなんとか避ける。
『っ、』
不「クソッ、」
不(これが上弦か…。流石に1人じゃキツイな。)
地面を転がりながら避け、蹲っていたがすぐに立ち上がる。
童磨が血鬼術を使い出し、このほんの少しの攻防ですでに杏も不死川もいくつか傷を負っている。
童磨は先程までに杏によってつけられた傷もとうに癒えており、傷1つ見当たらない。
童「時間もないし、少し急ぐね。」
ニコニコとした笑みを一切崩さない童磨にイラつきながらも体勢を整える不死川。
2対の扇を重ね合わせ、ゆっくりと離す。
すると、そこから小さな氷人形が2体でてきた。
─ 血鬼術 結晶ノ御子 ─
不「んだァ、あの小せぇのは…」
杏と不死川が訝しげな視線を現れた氷人形に向けていると、その氷人形が突然技を放ってきた。