第12章 邂逅
童「何だか“青い彼岸花の君”もそっちの柱も強いし、もうすぐ夜明けだし、俺はそろそろ帰るよ。」
『「……は??」』
杏はもちろん、不死川も童磨のまさかの発言に思わず間抜けな声が出る。
童「またね、“青い彼岸花の君”。」
2人がぽかーん、としている間に背を向け、どこかに行こうとする童磨。
童磨が背を向けた瞬間、ハッ、と我に返った杏は怒りに震えた。
杏(帰る……ですって??そんなの……)
心の奥から湧き出てくる“憎悪”、“憎しみ”の感情の力のままにグッ、と日輪刀を握る。
ミシッ、と日輪刀から嫌な音がするほどの力で握りしめているのに気づいた不死川が焦りの表情を浮かべる。
不(っ、コイツっ、怒りで周りが全然見えてねェ!!)
声をかけようと手をのばすも、それよりもはやく杏は走り出してしまった。
『逃がすわけないでしょう!!』
不「まてェ!!音白!!深追いするな!!」
─ 桜の呼吸 壱ノ型 桜吹雪 ─
叫ぶ不死川を無視して童磨の頸に向けて刀を振るう。
──パキッ
『っ!?』
辺りに嫌な音が響き、杏は手元を見て目を見開いた。