第12章 邂逅

『いちいちヘラヘラするのやめてくださいます？？不愉快です。』


童「そんな怖いこと言わないでよ、“青い彼岸花の君”。」


杏の眉がピクリ、と動く。


『百合姉さんも言っていたでしょう？？
私の名前は“青い彼岸花”なんかじゃない。』


杏はそう言い放ち、より一層鋭い視線を向ける。


童「そうだったっけ？？まぁどっちでもいいや。
杏ちゃん…だったけ？？」


『虫酸が走るので呼ばないでください。』


童磨が名前を口にした途端、無表情で冷たく切り捨てる杏。


童「えー、じゃあどうしたらいいんだい？？
これから話すとき困るじゃないか。」


『これから私と貴方が話す機会なんてあるわけないでしょう。貴方はここで私に斬られて死ぬのですから。』


悲しげに瞳を潤ませる童磨。


対して杏は恐ろしく感じるほどの無表情を童磨に向けている。


鬼に対しても常に笑顔で、丁寧な口調の杏がその微笑みを捨て去り、たまに荒い口調になってしまっている。