第12章 邂逅
反応を示した杏に不死川が慌てて声をかける。
『不死、川さん…。なんとか…。』
慣れてきただけで治まっているわけではないため杏は苦痛に顔を歪める。
『それ、より…貴方、いったい…??』
ホッ、としたような不死川の顔から視線を逸らして鬼の方を向く。
視線を向けられた鬼は悲しそうな顔をして口を開く。
「あれ??忘れちゃったのかい??酷いなぁ。
あのときは俺のこと絶対に許さないって言ってたのに…。それじゃあ………
久しぶり、“青い彼岸花の君”。」
──ドクン
『あ………、』
“青い彼岸花の君”、この言葉を聞いた瞬間、今までにないほど強く、杏の心臓が脈打った。
杏(“青い彼岸花の君”………??
っ、う…な、なに…??)
その瞬間、杏の脳内にまざまざと記憶が蘇る。
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も「あんず…。生き、なさい…がん、ばって…。」
つ「おねがい、杏…。」
ゆ「だぁい、すきよ、あん、ずちゃ、ん…。」
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3人の少女の、最愛の姉たちの最期…。
『やっ、姉さ…っ、まって…!!』