第12章 邂逅
──バシバシッ
「ぐわっ、」
─ 風の呼吸 捌ノ型 初烈風斬り ─
その石を頭にまともにくらった鬼たちがひっくり返りそうになったところに斬り込む不死川。
『いつの間に石なんて拾ってたんですか??』
不「先刻だよォ。」
なんならまだあるぜ、と言いニヤァと笑う不死川。
不死川の戦闘スタイルはまさに何でもありのその一言に尽きる。
稀血だけでなく、石、水、炎などなど、使えそうなものは何でも使う。
扱う呼吸の風の呼吸はその荒々しさがまさにぴったりだった。
『もう闘い始めてかなり経ったと思うんですけど…。』
久しぶりに背中合わせになり、2人はふぅ、と呼吸を落ち着かせる。
不「もうとっくに日付は変わってそうだなァ。」
『ほんとうに嫌になりますね。
まだまだ湧いて出ますよ。』
はぁ、と大きくため息をつく杏の視線の先には20匹ほどの鬼たち。
既にかなりの数を斬っているというのに減る様子がまるでない。
杏(一体何がどうなってるの……。)
─ 桜の呼吸 壱ノ型 桜吹雪 ─
─ 風の呼吸 伍ノ型 木枯らし颪 ─
─ 桜の呼吸 参ノ型 狂い咲き ─
─ 風の呼吸 陸ノ型 黒風烟嵐 ─