第12章 邂逅
しかし、感じ取れる気配に十二鬼月、またはそれに準ずる気配の鬼は確認できない。
山頂までたどり着いたとき、ようやく鬼たちを視認することができた。
『これは…………。』
不「軽く30はいそうだなァ。」
見渡すかぎり鬼、鬼、鬼…。
パッ、と見ただけでも30匹ほどいることが確認できた。
杏はこの謎すぎる状況に額に手をやる。
『一体、何がどうなっているんでしょうか…。
この数…2人でいけますかね??』
不「やるしかねぇだろォ。」
『それはそうですけど…。』
流石にきつそうですね、とため息をつく。
しかし、すぐにいつもの笑みを貼り付ける。
『こんばんは。鬼殺隊 桜柱 音白 杏と申します。お館様の命により、あなた方のお命、頂戴しに参りました。』
日輪刀を自分の顔の前に掲げてニコッ、と微笑む。
そんな杏を横目に血走った目を鬼たちに向ける不死川。
不「行くぞォ!!」
『はいっ!!』
互いに背中合わせとなり、そのまま広範囲技を放つ。
─ 風の呼吸 弐ノ型 爪々・科戸風 ─
─ 桜の呼吸 捌ノ型 桜狩り ─
「ギャアアアアーーーー!!!!」