第12章 邂逅
時間勿体ないですし早速行きましょうか、とスッ、と立ち上がる杏。
不「そういえばさっきの…万世極楽教だったか??あれについてはどうなんだァ??」
続いて立ち上がった不死川は思い出したように杏に尋ねる。
『…あのとき、誰かが私の腕を無理矢理引いている映像が流れてきました。でもそれ以外は特になくて…ちょっとよくわからないです。』
杏は視線をそらしながら小さく溜息をつく。
不「ま、焦らずいこうぜェ。
また頭痛おきても辛いだろ。」
杏の方に歩み寄り、頭に撫でてやる。
『……ありがとう、ございます。』
不「さ、行こうぜェ。」
『はい。』
それから町に出て商店街をまわる。
主に杏が店の人や通行人に声をかけ、情報収集をしていく。
『特に有力な情報ないですね〜。客引きの人たちの情報が1番有力ですよ、今のところ。』
んー、と伸びをしながら愚痴る杏。
不「だなァ。店のやつの殆どが行方不明になっているのは知っているが特に興味はなさそうだったなァ。ったく、人がいなくなってるってのに呑気なもんだなァ。」
『まぁ、これだけ観光客で賑わう町ですし、お店の方は特に忙しいんでしょうね。』