第3章 壊された幸せ
槇「お館様、もしや何かお分かりになられましたか??」
悲「そうであれば、我々にも…」
お「そうだね。」
お館様は2人を見て軽く微笑む。
お「上弦の弐…もしくは鬼舞辻無惨。どちらかがあの子…“青い彼岸花”を欲しているということだろうね。“青い彼岸花”には我々の知らない何かがある。」
槇「鬼舞辻…!?」
悲「お館様、それは…」
“鬼舞辻無惨”という名前に激しく動揺する2人。
お「とりあえず奴らが狙っているというのなら、この子は私の屋敷で預かることにしよう。」
口元に指を当て2人の言葉を遮る。
槇「よろしくお願いいたします。」
お「彼女の名はなんというんだい??」
悲「音白杏。その名が彼女の着物に書かれておりました。」
お館様の問いに素早く答える悲鳴嶼。
お「ありがとう、行冥。さて、杏のことをできるだけ早く、他の柱たちにも知らせたい。あまね、緊急の柱合会議の連絡を柱たちの元へ知らせてくれ。」
あ「はい。」
お館様にあまねと呼ばれた女性はスッと立ち上がり、部屋を出ていった。
お「あとは、杏が目覚めてからだね。
杏がこれからどうするかは彼女と共に決めよう。」