第12章 邂逅
俺は話を聞いてから行く、と告げる不死川に頷く杏。
『わかりました。では、お待ちしてますね。
珠さん、案内お願いします。』
珠「お任せください。」
珠に連れられて杏が一定の距離離れたところで不死川は男たちに話すよう促す。
「実は…………
不「………そういうことかァ。」
男たちから話を聞いた不死川はフッ、と怪しげな笑顔をみせた。
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『素敵なお店ですね。』
珠「ありがとうございます。」
食事処に辿り着き、店内を見渡して感嘆の声を漏らす杏。
店内は西洋式に整えられており、目新しいものが多いがきちんと整理されたとても美しい空間だった。
『実弥さん…まだかしら。』
まるでほんの少しでも恋人と離れたくないとでも言いたげな雰囲気を醸し出す。
珠「きっとそうかかりませんよ。あの人たちも断られたのに何時までも時間を拘束したりなんてしませんわ。」
こちらの席にどうぞ、と席に案内しながら不安げな杏に優しく声をかける珠。
『ありがとうございます。…私、あの人がいないとすぐ不安になってしまって…、だめですよね。』