第12章 邂逅
『不死川さん、どうぞ。』
1つを不死川の方へと差し出す。
まだ少し、顔に熱が残っているが先程までよりは遥かにマシだ。
不「あァ。」
不死川も袋を受け取り、すぐに自分の日輪刀を中へと入れる。
杏も同じように端に置いていた日輪刀を袋の中に入れる。
『では、行きましょうか。お世話になりました。』
藤「いえ、またいつでもいらしてください。」
杏が小さく頭を下げて礼を言うと、深く頭を下げてくる女性。
藤「柱の方がお2人…。危険な任務になるでしょうが、どうかお気をつけて。」
『はい。ありがとうございます。』
女性からの言葉に頷きながら微笑む。
『行ってまいります。』
門のところで再び挨拶すると、頭を下げる女性。
きっと、杏と不死川の姿が見えなくなるまで頭を上げるつもりはないのだろう。
それを察してすぐ歩き始める2人。
日輪刀を入れた袋に、旅行している者らしく大きめの風呂敷を抱えていた。
風呂敷には町の宿で着替えられるように隊服を入れてある。
『さて、と。
サクラ、あとどのくらいで着くの??』
上空で先導していたサクラに呼びかける。