第12章 邂逅
うーん、と考えながら案内される部屋へと向かう。
不死川は先に案内されており、部屋で杏がやってくるのを待っていた。
ちなみに、不死川が着ているのは細く白い線の入った藍色の着物。
帯は同系色のものだ。
時間がかかったのは、しっかりと着付けようとしていた女性と胸元を開けたがる不死川との攻防戦が行われたためだ。
結局、女性の頑張り虚しく、不死川の胸元はいつもどおり全開になっている。
──カラカラ
『不死川さん、お待たせいたしました。』
部屋の襖が開く音がしてそちらへ視線を向ける。
不「…おゥ、」
そこにいた杏は自身の着物と揃えてあるのだろう、美しい藍色の着物を纏っていた。
普段は薄めの色の着物を着ていることが多く、その姿が年相応に見えていたが、深い藍色の着物を着たことで白い肌に映え、とても大人っぽく、艶っぽくみえる。
着物姿は見慣れていたが、その年相応でない艶、自身の同じような着物、これから夫婦として潜入することを自覚する。
『そろそろ行きましょうか。
あぁ、一応日輪刀持っていきます??』
不「…そうだなァ。」
『…不死川さん??どうされました??』