第12章 邂逅
『では、お互いがんばりましょうね、宇髄さん。』
ニコッ、と先程のことについて釘を刺すように微笑みかける。
宇「わーってるよ。じゃあな。」
『はい。』
宇髄に連れられて炭治郎、善逸、伊之助、そして、祈里と音羽が歩いていく。
『私たちも行きましょうか。』
不「あァ。」
『サクラ、案内をお願い。』
空を見上げてサクラに声をかけるとサクラはバサッ、と羽を鳴らす。
飛んでゆくサクラを追いかけながら今回の任務について話す。
『不死川さんはどんな任務か聞いてますか??』
不「お前を迎えに来るときになァ。」
『どんな任務なんですか??
至急の任務のようですが…。』
サクラからの伝令を思い出しながら尋ねる。
不「ある町で短期間のうちに大勢の人間が消えているらしい。それも、若夫婦ばかりだそうだ。」
『若夫婦…ですか??』
不「あァ。恋仲の者たちも中にはいるそうだが、若夫婦が圧倒的に多い。」
『卑劣ですね…。』
若夫婦といえば幸せの絶頂期だ。
そんな2人を狙うだなんて…と、心のなかで呟く。
不快感を露わにしている杏を横目に見ながら任務の方法について口を開く。