第12章 邂逅
明らかに苛々した様子の宇髄。
彼は普段から気分屋ではあるが、ここまで苛々して周囲を蔑ろにしたりすることはない。
『何があったかわかりませんが、女性の隊員が必要なら私たちが行きますよ。3人で足ります??』
宇「おっ、いいのか!!」
『えぇ。その代わり、この子たちに手を出さないでくださいよ。』
はぁ、と息を吐く杏。
宇「じゃ、早速行くか!!」
『はいはい。』
息巻く宇髄の後について任務へ向かおうとすると、空からサクラ、雫、琥珀が飛んできた。
『サクラ。』
腕を上げ、手にとまらせる。
サ「任務ヨ!!風柱ト合同任務!!
至急風柱ト合流セヨ!!」
『…………あら。』
宇「どーすんだよ。」
まさかの至急の任務に驚く杏。
『とりあえず…私は行けないですね。
お館様からの指令ですし…。』
宇「じゃあ、やっぱアイツ連れてくわ。」
『え、ちょっと待って下さい!!』
クルッ、とアオイたちの方を向く宇髄を杏は慌てて止める。
祈里と音羽はバッ、とアオイを守る仕草をみせる。
宇「そこどけ。」
祈「申し訳ありませんが、お断りいたします。」