第12章 邂逅
祈.音「「はい!!」」
タッ、と走り出す3人。
だんだんと聞こえてくる声。
ア「カナヲ!!」
な「カナヲさまーっ!!」
『この声は…アオイちゃん!!なほちゃん!!』
バッ、と蝶屋敷の門から中の様子を見る。
杏(…宇髄さん??アオイちゃんとなほちゃん連れてどこへ行くつもりかしら??)
ちょっと状況がよく分からず、その様子を見るだけになってしまう。
よく見れば、2人を抱えている宇髄の後ろからアオイとなほを掴んでいるカナヲが確認できた。
祈「…どういう状況でしょうか??」
『私も丁度、よくわからなくなってたところです…。』
追いついてきた祈里と音羽と3人で並んで様子を見守る。
ア「カナヲ…。」
き「カナヲさま…。」
カナヲの横にいるきよの瞳に涙が浮かんでいる。
彼女の潤む瞳に映っているアオイの瞳にも涙が浮かんでいるのが見える。
宇「地味に引っ張るんじゃねぇよ。
お前は先刻指令がきてるだろうが。」
カ「………。」
宇髄から見下されるが、アオイとなほを掴んでいる手はギュッ、と掴んで離さないカナヲ。
杏(カナヲちゃんが上官である宇髄さんの命令をきかない…??)