第11章 護衛役
し「杏さん、そろそろお茶にしませんか??」
『そうですね。』
しのぶの声に反応して振り返る杏。
し「不死川さんもいらっしゃるのでしょう??」
『はい、そのようです。』
不「なんか文句あるかァ??」
し「いえいえ、とんでもないです。」
ふふ、と笑うしのぶ。
『祈里さん、音羽さん。
夏の間にお茶の準備をお願いします。』
祈「はい。」
音「では、失礼いたします。」
──カラカラ
道場を出ていく2人。
し「今日は夏の間なんですね。」
『はい。今は百合の花がとても綺麗ですよ。』
し「楽しみですね。」
ふふっ、と笑い合う杏としのぶ。
そこに近づいてくる不死川。
不「おい胡蝶、もう1人の実力はどうだったんだァ??」
し「そうですねぇ。速さは申し分なかったですけど、あまり力がないようですね。
まぁカナヲよりは強いみたいです。」
あの子まだ己ですしね、と付け加えるしのぶ。
不「…あいつら足して二で割った方がいいんじゃねぇかァ。」
おいおい、と呆れる不死川。
『2人で互いの弱い部分を補い合えばよいではありませんか。幸い、お2人はとても仲がいいようですしね。』