第11章 護衛役
『音羽さんは先程と同じです。
審判は私がしますね。』
休んでいる祈里の方を向いて言うと、祈里も小さく頷く。
『不死川さん。分かってらっしゃるでしょうけど本気ではしないでくださいよ??』
不「あァ。」
不死川が返事をしたことを確認して右手を上げる。
『それでは…はじめっ。』
手を振り下ろした瞬間、不死川が音羽に斬りかかる。
音「っ、」
なんとか受け止めたが不死川が斬りかかってきたことにかなり驚いているようだった。
杏もしのぶも初手は祈里や音羽が斬りかかるまでは動いていなかったからだろう。
不死川の攻撃の重さにかなりダメージを受けているようだったが、不死川はそんなことお構いなしに手加減をしてはいるが攻撃を続けている。
杏(私にはない一撃の重さを体感できるいい機会だわ。ただ…あそこまで攻撃され続けてたら音羽さんが技を出せないわね。)
音羽がどうするか、じっ、と観察する。
不「さっきから受けてばっかじゃねぇかァ!!
テメェからも打ち込んでこい!!」
防戦一方の音羽に不死川から鋭い声が飛ぶ。
音「くっ、」
サッ、と不死川の攻撃を避け、構える音羽。