第11章 護衛役
2人に手拭いを手渡している杏に声をかけると、こちらに笑顔を向けてくれる。
音「風柱さまがいらっしゃいました。」
『不死川さんですか??』
不「あァ。」
杏がキョトンとした顔をしていると、音羽の後ろから不死川がでてくる。
『お久しぶりですね。どうなさいましたか??』
杏はとととっ、と小走りで向かう。
不「その前に胡蝶の手合わせは終わったのかァ??」
『えぇ、今ちょうど。』
不「じゃあ、次は俺がこいつとする。」
音「え!?」
『音羽さんと…ですか??』
突然、指をさされ手合わせの相手に指名された音羽は驚きの声を上げる。
杏もなんでまた…、と言いたげな顔で首を傾げる。
不「もう1人のやつは花の呼吸で胡蝶が相手したんだろォ??ならこいつは俺が相手してやる。」
『有り難いですが…よろしいのですか??』
不「あァ、ほらァやるぞォ。」
音「あ、はいっ。」
慌てて竹刀を手に取る音羽。
不「竹刀使ってんのかァ。」
『えぇ。不死川さんは呼吸の型は使わないようお願いします。』
不「わかった。」
杏は不死川に竹刀を渡しながら手合わせの内容を伝える。