第11章 護衛役
そんなことを考えながら道場へと続く道を歩く。
不「道場で何やってんだァ??」
音「蟲柱さまともう1人の護衛役の方が手合わせを行っています。」
不「胡蝶が来てんのか。」
音「はい。私たちに杏さまの看護の仕方を教えてくださるためにいらっしゃったようです。」
突然声をかけられ、かなり驚いたし怖かったが平然を装い答える。
不「お前は胡蝶に相手してもらったのかァ??」
音「いえ、彼女は花の呼吸を使うため手合わせをしていただいているようで…。」
不「あー、胡蝶んトコの継子も花の呼吸だからなァ。」
音「そのようです。」
音羽は肩をすくめながら苦笑する。
不「お前は何の呼吸使うんだァ??」
音「私は風の呼吸です。」
不「そうかァ。」
そこまで話したところで道場に着いたため、戸に手をかける。
音(思っていたより話しやすい方だな…。
……顔は怖いけど。)
意外…と、小さく呟きながら戸を開ける。
──カラカラ
中を覗いてみると、しのぶと祈里の手合わせが終わって水を飲んでいるところだった。
音「杏さま。」
『音羽さん、どなたでしたか??』