第11章 護衛役
外へ出て辺りを見渡すと、屋敷の玄関の前に人影が見える。
音(あの羽織は………。)
そっ、と近づいてみると背中に大きく“殺”と書かれた特徴的な羽織が見えた。
音「あの、風柱さま。」
不「あ??」
恐る恐る声をかけると、振り返る不死川。
音(ひっ…、やっぱり怖い…。)
顔が怖いため、どうしても委縮してしまう音羽。
しかしそんなことも言ってられないと自身を鼓舞し、真っ直ぐに不死川を見据える。
音「お初にお目にかかります。この度、桜柱 音白杏さまの護衛兼世話役の任に就かせて頂きました。
鬼殺隊 階級 丙 佐々木音羽と申します。」
声が震えないよう、意識して挨拶し頭を下げる。
不「…護衛役の隊士か。」
音「はい。風柱さまは杏さまに何か御用でしょうか??」
顔を上げてみると、先程の顔より幾分か怖くなくなっていたので尋ねてみる。
不「あァ、ちょっとなァ。」
音「でしたらこちらへどうぞ。
杏さまは今道場にいらっしゃいます。」
音羽の案内にすんなりと着いてきてくれたため、ほっ、と胸をなでおろす。
音(杏さまと風柱さま…仲がよろしいのかしら。)